観光産業に費やされる金額は年間数十億ドルにも上ります。社会インフラが脆弱なことから観光産業に依存している国もあり、カンボジアやフィリピンはその一例です。その一方で観光客が楽しむアクティビティのすべてが家族向けに考えられているわけではなく、大人限定のアクティビティも存在します。
ギャンブルは観光客を呼び込むことができる産業だと考えられています。もしマカオにカジノがなかったら、現在のこれほど活気に満ちた姿はなかったでしょう。ラスベガスも同様です。実際、ラスベガスのカジノがどのようにデザインされているかに注目すると、ギャンブラーがポーカーやスロットマシンを楽しむだけの場所ではなく、好きな選手に賭けることができるスポーツイベントなどが開催されている場所でもあることが分かります。
リゾートサービス
ラスベガスはかつて収益の大半をギャンブルから得ており、いくつかの報告書によると20年前、ギャンブルによる収益はラスベガスの総収益の90%に達していました。しかし、長年かけて状況は大きく変わりました。これらのカジノの構造が、ギャンブル以外の楽しみを求めて来訪する人々にも対応するようになったためです。
リゾートサービス人気が高まってきたのはその頃からです。これは、ホテルに滞在してリラックスし、ギャンブルをするしないに関係なくラスベガス体験を楽しめることを意味します。
経済危機とギャンブル旅行
観光客の数も景気に左右されることがあります。2008年、ラスベガスの年間訪問者数はマカオに抜かれました。多くの人々がラスベガスまで飛行機で飛ぶ代わりに、アジア最大のカジノを訪れたのです。新型コロナウイルスの世界的流行も今日のラスベガスに影響を与え、さらに、多くの人が失業したという事実も考慮する必要があります。
過去にはカジノに喜んでお金を使う人たちが数多くいました。こういった観光客はカジノ側が常に勝つことからカジノを訪れると元金を減らす可能性が高いという事実を既に受け入れていました。しかし、多くの人が新型コロナウイルスの世界的流行によって仕事を失ったため、不要な出費を控える傾向があります。
オンラインギャンブルとギャンブルツーリズム
インターネットの出現は、多くのギャンブラーにとって転換点となりました。実際、最近では多くの人が自宅でポーカーなどのゲームを楽しんでいます。モバイルデバイスと安定したインターネット接続があればすぐにゲームが楽しめるのです。このことは、自宅にいることを好む人もいるため、特定の場所に行くギャンブラーの数に影響を与える可能性があります。
ギャンブルツーリズムの今後は？
先ほど述べたようにギャンブル業界は変わりつつあります。しかし、ギャンブル観光が収益性の高いビジネスであることには変わりなく、2018年に日本でカジノ法案が可決された時には多くの人が興奮しました。しかし、外国人ギャンブラーがカジノで得た利益が課税対象になる可能性を考慮したため、サンズは日本市場からの撤退とプロジェクトの中止を決定しました。では、こうした課題を踏まえて、ギャンブル業界の今後はどうなるのでしょうか？より多くのギャンブラーを惹きつけるため、カジノはニューノーマルに適応した形へと変わっていくのでしょうか？
